身近なものを感じに・・・いたどりはむし
春を迎えにいっていた雨が、雪を連れて戻ってきた。
箱根や丹沢の、最後の雪景色を眺めながら、草摘みの手を休めて、そっと川面に触れてみる。
水が冷たく感じる分、春を感じる。
思いどおりにいかなかった受験生には悪いが、日一日と明るさを増す野辺に立つと、歌いながら世界中をかけまわりたい気持ちになってしまう。
何もかも忘れて、にこにこしている私の足下では、オオイヌノフグリやタネツケバナが咲いて、羽音こそしないが、小さな虫たちが行き来している。
ぼんやり立ったまま眺めていると、若草色の画布に、虫たちの描く細い線がおどって、しばし夢心地にさせてくれる。
春は、無限の楽しみ方があるから楽しい。